無店舗型テレクラが主流の現在においては、リンリンハウス閉店のニュースがあいついでおります。

リンリンハウス閉店のニュースは、世間の耳目をあつめてトレンドにあがるような「大事件」ではなく、かつてリンリンハウスを利用したことがある一部のテレクラユーザーの心に「わずかな寂寞」を与える程度の「小事件」としてのみ受け取られている傾向があるように思います。

私自身、リンリンハウス閉店の一報を受けるたび、あるいは、かつてリンリンハウスがあった場所を通りがかったときにリンリンハウスの看板が消滅しているというような街並みを目撃するたびに、「わずかな寂寞」を感じるタイプのテレクラユーザーです。

「リンリンハウス○○店が閉店したらしい！」ということを、友人知人のLINEなどに最新かつ重要なニュースであるというテンションで送信した場合、リンリンハウス閉店に対する自分と友人知人たちとの受け取り方にあきらかな「熱」の差があることを実感することにもなります。

リンリンハウス閉店というニュースへの度重なる既読スルーや感情のないスタンプ返信などは、「リンリンハウスがなくなったからといって、なんだというのだ！」というのが世間一般のリンリンハウスに対する一致した意見であるということを突きつけてくるようです。

リンリンハウスはテレクラのふるさと

果たして、これからもリンリンハウスは必要とされるのでしょうか。それとも、このまま衰退の一途をたどり、やがて消滅してしまうことになるのでしょうか。

可能性としては、後者の未来のほうがおそらく濃厚である、というのが正直なところです。

リンリンハウスの体験談などを見ていると、他でもない現在のリンリンハウスユーザーから「リンリンハウスはもう潰れたほうがいい」というような過激かつ諦めに満ちた意見さえ飛び出すほどですから、リンリンハウスという「場所」は、早晩、完全にその姿を消すことになるのかもしれません。

しかし、たとえリンリンハウスが消えたとしても、テレクラという出会いのツールは残り続けます。

そこで残り、これからも続いていく「テレクラ」というものは、リンリンハウスという個室テレクラの歴史と記憶なしには成立しないものです。

私はテレクラのふるさと、出会いのふるさとをリンリンハウスに見ます。現在のテレクラは、リンリンハウスから始まっているのです。

このテレクラのふるさとであるリンリンハウスを抜きにして、現在のテレクラについて考えることはできません。

テレクラを使い続ける限り、リンリンハウスという「テレクラのふるさと」からの、記憶に根ざした「過去からの呼び声」はたえず鳴り続けるのですし、その過去からの追いかけてくる呼び声からは決して逃れられない。

リンリンハウスは「死なないテレクラ」なのです。