無店舗型テレクラの登場以降、携帯電話の端末がひとつあればテレクラ遊びができる時代が到来しました。

無店舗型テレクラからテレクラを利用しはじめたユーザーは、男女問わず、店舗型のテレクラがどのようなものかを知らない人の方が多いかもしれません。

個室テレクラのイメージを鮮明に浮かべることができるのは、おそらく、30代の後半から50代くらいの世代になるでしょう。

もし、現代の20代で個室テレクラを利用したことがあるという若者と出会ったならば、私は、彼に対して、相当に研究熱心なテレクラユーザーである、という印象を持つことになると思います。

さて、30代後半から50代といった世代の脳裏にイメージされる「店舗型テレクラ」は、さらに「リンリンハウス」という具体的な形をとることになるだろうと想像します。

当時のテレクラユーザーは、テレクラといえばおもにリンリンハウスをメインで利用しており、リンリンハウスを通して数多くの出会いを経験していました。

テレクラ＝リンリンハウスというイメージが形成された、リンリンハウスバブルとでも言いたくなるような活況がかつてのテレクラにあったのは確かです。

同じリンリンハウスの釜の飯を食った仲間

ストリートのナンパという場所で鎬を削っていたプロと呼ばれるようなナンパ師たちが、出会いの最前線を求めて集まったのも、もちろんリンリンハウスです。

当時のテレクラは、リンリンハウス内における、プロのナンパ師と素人男性による女性の奪い合いといったエキサイティングな様相を呈していました。

プロのナンパ師がリンリンハウスで即アポを成功させるのは当然のことで、二桁から三桁はあたりまえに即アポ＆即ハメしていたのではないかと思われますが、リンリンハウスから出会いの最前線にはじめて参入していった素人男性もなかなか善戦していたと思います。

いや、善戦していたどころか、ナンパ師に追いつけ追い越せの精神で、ナンパの技術に磨きがかかり、最終的にはプロのナンパ師に拮抗する即アポの技術を身に着けたリンリンハウスのユーザーも少なからずいたことでしょう。

現在の無店舗型テレクラは、リンリンハウスで即アポの技術を磨いたユーザーと、無店舗型テレクラからはじめてテレクラという出会いのシーンに参入してきたユーザーによる素人女性の奪い合い、という点において、当時のちょっとした反復を経験しているようにも感じられます。

かつての熱狂状態の名残り、闘争の雰囲気を味わうために、遺跡を探訪して歴史性を実感するようにして、リンリンハウスを訪ねて利用してみる、というのも面白い営みかもしれませんね。